Mathematica による計算の基本
ここでは、数式処理システム Mathematica による計算全般の基本事項について説明します。
Mathematicaによる計算の実行(式の評価)
- 式を入力したら Shift + Enter (Return) で計算が実行されます。
- Mathematica では、計算を実行することを「式を評価する」といいます。
- Mathematicaを使う の「(2) Mathematica による計算」も参考にしてください。
Mathematica で扱うことができる数や値
- 整数: 計算機のメモリが許す限り、桁数の制限なく正確に扱われます。
- 例: 3, -12, 65536
- 有理数: 整数同様、計算機のメモリが許す限り、桁数の制限なく正確に厚扱われます。
- 例: 14/23, -22/7
- 小数: 人間が書く小数と同様、小数点を用いて入力します。
- 例: 1.41421356
- 平方根: は Sqrt[n] と入力します。
- 例: → Sqrt[2]
- 複素数: 虚数単位は I (大文字の I)で表します。
- 例: → 2 + 3 I
- 定数: 次の定数を厳密に扱うことができます。
- 円周率 : Pi
- 自然対数の底 : E
- 小数近似: 数 を小数で近似するには、数を N[n] で囲みます。
- 例: N[Sqrt[2]] → 1.41421
- 真偽値
- True: 「真」を表す値
- False: 「偽」を表す値
Mathematica の算術演算
- 加法: +
- 例: 3 + 5 → 8
- 減法: -
- 例: 8 - 5 → 3
- 乗法: *, またはかける数とかけられる数の間に半角スペースを入れて並べる
- 例: 3 4 → 12, 3 * 4 → 12
- 除法: /
- 扱う数や式によって結果が異なる
- 割られる数や割る数に小数を含む場合: 割り算の結果を返します。(計算結果は誤差を含む場合があります)
- 例: 2.5 / 3 → 0.833333
- 割られる数と割る数の両方が整数、有理数、Pi や E などの定数の場合: 計算結果は有理数(有理式)となります。(計算結果は誤差を含みません)
- 例: 25/3 →
- べき乗: ^ (hat)
- 例: 2^3 → 8
Mathematica で扱うことができる式
- 文字: 変数を表します。
- 例: x, y, z, a, b, c,…
- 文字列: いくつかの文字を並べた文字列も変数を表すことができます。
- 例: area, redius
- カッコ: 何重になってもすべて () で囲います。 {} は「リスト」(後述)を表すので注意。
- 多項式:
- 変数の指数は ^ を使います。
- 変数と係数は * を間に入れるか、スペースを間に入れます。
- 例: x^2 + 3*x*y + 2 x - 1
- 有理式: (多項式)/(多項式)
- 例: (2 x)/(Sqrt[4 x - 3])
- リスト/ベクトル: は {a,b,c,d} で表します。
- 行列: {{第1行}, … , {第n行}} で表します。
- 例: → {{1,2},{3,4}}
- ベクトルと行列の積: ベクトルを行列の左側からかければ行ベクトルとして、右側からかければ列ベクトルとして扱われます。
- 代入: (左辺) = (右辺) で、左辺の変数などに右辺の式や値を代入します。等号1個です。下記の方程式の「等しい」ことを表す記号と異なる点に注意してください。
方程式と不等式
方程式
- : f == g
- 等号 = を2つ並べて書き、その後で半角スペースを入れてから右辺を書きます。上記の代入の等号と異なる点に注意してください。
不等式
- : f > g
- : f < g
- : f <= g
- <= を書き、その後で半角スペースを入れてから右辺を書きます。
- : f >= g
- >= を書き、その後で半角スペースを入れてから右辺を書きます。
非等式
- ( と は等しくない): f != g
- != を書き、その後で半角スペースを入れてから右辺を書きます。
微分と積分
微分
- : D[f, x]
- : D[f, {x, k}]
積分
- 不定積分 : Integrate[f, x]
- 定積分 : Integrate[f, {x, a, b}]